iamobasanのブログ

おばさん介護福祉士の奮闘日記



どうしているかなあ?

今年一月に退居したおばあちゃんがいました。
ちょうど二年前、入居してきたのですが他の入居者
の方よりは元気で、何でも自分でできるごく普通の
おばあちゃんでした。おうちでで過ごすにも何ら問題
のなさそうなおばあちゃんは、入居した頃同じテーブル
に座っていた他のおばあちゃん達によくいじめられて
いました。まあよくある新人いじめみたいなものでした。
傍で見ていてちょっとかわいそうなおばあちゃん、なかなか
ホームの生活に馴染めないようでした。が、ある日同じテーブル
に座っていたおばあちゃんが、体調をくずし入院をした事で
いじめられていたおばあちゃんの、反撃が開始されました。
ホームのボスみたいなおばあちゃんを、味方に同じテーブルに
座っていたおじいちゃんを、攻撃し始めたのです。少し耳が遠い
おじいちゃんは、大きな声で自分の悪口を言っているおばあちゃんを
無視して、あくまでも大人の対応をしていた。
毎日毎日、食べてる以外は悪口のオンパレード、スタッフが注意する
とスタッフにも攻撃してくるゴジラのようなおばあちゃんでした。
入院をしていた、おばあちゃんが戻って来てもその手を口を
緩める事はなかったのです。もう限界を感じて、席替えをする事
になるのですが、それはそれで気に入らないと猛反発するのです
同じテーブルに耳の遠いおばあちゃんが、座ってたのですが、あまりの
すごさに食欲不振になってしまうほどでした。
結局、ボスと二人きりで座る事に落ち着き、犠牲者はいなくなりました。
ある日、そのゴジラのようなおばあちゃんが、転倒してしまったのです。
顔から転倒してしまったので、あごの骨折と、肋骨にひびがはいり
ベッド上での生活を余儀なくされたのです。
こんなおばああちゃんですから、安静がたえれないようでした。
その後も、ケガが治っては転倒の繰り返しで、だんだ弱くなって
いき、迫力はあるものの、ゴジラではなくなっていきました。
ある朝、お熱をはかりに訪室すると、まだベッドの中でした。
「ねえちゃん、私あかんと思っても人の悪口言ってしまうんよ」
とぽつりつぶやきました。「こんなばあさんでも、たのんどくね」
それが最後の会話でした。休み明けで出勤すると、昨日また転倒した
との事。ケガは顔の骨折、のはずが集中治療室に入ってると説明
を受けたのです。骨の形成のための手術をするにあたって、事前の
検査で重大な病気がみつかり、そのまま入院危篤になったようです。
しばらくは、安定しないので退居する事になってしまいました。
家族さんが荷物を取りに来られたので、病状を聞くと、まだなんとも
言えない状態だそうです。
今になって考える事があります。言いたい事を言い、人にきらわれ
ていても、やっぱりいなくなるのは寂しい。最後に話した声が、なんとも
弱々しかったなあ  どうしてるかな? 元気になったかな?